測⁠定⁠値⁠の⁠解⁠説

Apple Watchの心⁠電⁠図⁠で⁠み⁠るPR間⁠隔。正⁠常範⁠囲⁠と、何⁠を測⁠っ⁠て⁠い⁠る⁠⁠⁠の⁠⁠⁠か

PR間隔は、P波の始まりからQRS波の始まりまでの時間です。信号が心房から心室へ伝わるのにかかる時間を表します。成人では一般的に約120~200 msです。PRが200 msより長い場合は、第1度房室ブロックと呼ばれ⁠ま⁠す⁠。

小さなP波と高いQRS波の間には、短く平らな区間があります。PR間隔は、P波が現れ始めたところからQRS波が現れ始めたところまで、その全体を測ります。心房から心室へ信号が受け渡されるタイミングを表す値⁠で⁠す⁠。

PR間⁠隔⁠が表⁠す⁠⁠⁠も⁠⁠⁠の

PR間隔には、心房の興奮と、房室結節(信号を心室へ伝える接続部)での短い遅れが含まれます。1 この遅れがあるおかげで、心室が収縮する前に、心房が血液を心室へ送り終えることができ⁠ま⁠す⁠。

実⁠際⁠の1拍⁠で⁠み⁠る⁠PR⁠間⁠⁠⁠隔

ECG Tracker+の「拍動形態」に表示された1拍。P波の始まりからQRS波の始まりまでに括弧が付き、「PR 129 ms」と表示されている
「拍動形態」で表示した、実際の第I誘導の心電図です。アプリはこの1拍でPR間隔を129 msと測定しました。この記録に注釈を付けた循環器専門医の値は、中央値で128 msで⁠し⁠た⁠。

「拍動形態」では、ECG Tracker+が代表的な1拍でP波の始まりとQRS波の始まりをマークし、その間の間隔を表示し⁠ま⁠す⁠。

一⁠般的⁠な⁠範⁠⁠⁠囲

PR⁠間⁠隔臨床の参考文献での⁠説⁠明
約120~200 ms成人の一般的な範囲(下限を100 msとする資料もあり⁠ま⁠す⁠)2
200 ms⁠超第1度房室ブロ⁠ッ⁠ク2
約⁠120 ms⁠未⁠満PR短縮。原因はいくつか考えられ⁠ま⁠す2

第1度房室ブロックはよくみられ、症状がないことも多い所見です。それでも、薬や伝導の変化、そのほかの状態と関係していることがあるため、医師に見てもらう価値はあります。PRが短いのは正常な場合もありますが、余分な伝導路があることと関係している人もいます。どちらに当てはまるかを判断できるのは医師だけ⁠で⁠す⁠。

PR間⁠隔⁠を変⁠え⁠る⁠要⁠⁠⁠因

  • 心拍数。 心拍数が上がると、PRはふつう少し短くなり⁠ま⁠す⁠。
  • 薬。 房室結節での伝導を遅らせ、PRを長くする薬があり⁠ま⁠す⁠。
  • 体力。 よく鍛えたアスリートでは、安静時のPRが長いことがあり⁠ま⁠す⁠。
  • 記録の品質。 P波がノイズに隠れているとPRは測定できず、ECG Tracker+では表示されま⁠せ⁠ん⁠。

Apple Watchの記⁠録⁠でPR間⁠隔⁠は⁠わ⁠か⁠り⁠ま⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

健康なボランティア43人を対象にした研究では、Apple Watchの記録で手作業で測ったPRと、12誘導心電図の第I誘導で測ったPRとの差は、平均で約5 msでした。ただし、個々の記録ではもっと大きな差がありました。3 はっきりとれたApple Watchの記録には、PRを推定できるだけの情報が含まれていることが多い一方、そうでない記録もあり⁠ま⁠す⁠。

範囲は目安であり、診断ではありま⁠せ⁠ん

一般的な範囲から外れたPRがあっても、それは診断ではありません。気になる測定値があれば、医師が12誘導心電図で確認でき⁠ま⁠す⁠。

よ⁠く⁠あ⁠る⁠質⁠⁠⁠問

PR間⁠隔⁠の正⁠常値⁠は⁠ど⁠の⁠く⁠ら⁠い⁠で⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

成人のPR間隔は、一般的に約120~200 msです。下限を100 msとしている資料もあり⁠ま⁠す⁠。

PR間⁠隔⁠が200 msを超⁠え⁠る⁠の⁠はど⁠う⁠い⁠う意⁠味⁠で⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

第1度房室ブロックと呼ばれ、心房と心室の間の伝導が遅くなっている状態です。心配のないことも多く、対応が必要かどうかは医師が判断でき⁠ま⁠す⁠。

PR間⁠隔⁠が表⁠示⁠さ⁠れ⁠な⁠い⁠の⁠は⁠な⁠ぜ⁠で⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

PRを測るには、はっきりしたP波が必要です。単一誘導の記録ではP波が小さく、ノイズに隠れてしまうことがあり⁠ま⁠す⁠。

出⁠⁠⁠典

  1. Merck Manual Professional: Electrocardiography
  2. LITFL: PR interval
  3. Saghir N et al.: A comparison of manual electrocardiographic interval and waveform analysis in lead 1 of 12-⁠lead ECG and Apple Watch ECG, 2020

Apple Watchの心⁠電⁠図⁠を、も⁠っ⁠と詳⁠⁠⁠し⁠⁠⁠く

波形全体、参考用の測定値、トレンド、期外収縮の可能性を示すパターンのフラグを、iPhoneで確認できます。処理はデバイス上で完結し⁠ま⁠す⁠。