測⁠定⁠値⁠の⁠解⁠説

Apple Watchの心⁠電⁠図⁠で⁠み⁠るQRS持⁠続時⁠間。正⁠常範⁠囲⁠と、幅⁠が広⁠い⁠と⁠さ⁠れ⁠る⁠⁠⁠と⁠⁠⁠き

QRS持続時間は、拍動ごとに現れる高くとがった波が続く時間で、心室がどれだけすばやく興奮するかを表します。成人では一般的に約70~100 msです。120 ms以上のQRSは幅が広いとされ⁠ま⁠す⁠。

QRS波は、多くの人が心電図と聞いて思い浮かべる部分、つまり拍動ごとの高く鋭い波です。その長さからは、信号が心室の中をどのように伝わっているかについて多くのことがわかり⁠ま⁠す⁠。

QRS持⁠続時⁠間⁠が表⁠す⁠⁠⁠も⁠⁠⁠の

QRS波は、大きな下側の部屋である心室の興奮によって描かれます。ふつうは信号が速い伝導系を通って伝わるため、心筋全体がすばやく興奮し、QRS波は幅が狭くなります。1 QRS持続時間は、QRS波が最初に振れ始めた点から、基線に戻る点までの時間⁠で⁠す⁠。

実⁠際⁠の1拍⁠で⁠み⁠るQRS持⁠続⁠時⁠⁠⁠間

ECG Tracker+の「拍動形態」に表示された1拍。QRS波に括弧が付き、「QRS 90 ms」と表示されている
「拍動形態」で表示した、実際の第I誘導の心電図です。アプリはこの1拍でQRS持続時間を90 msと測定しました。この記録に注釈を付けた循環器専門医の値は、中央値で86 msで⁠し⁠た⁠。

「拍動形態」では、ECG Tracker+が代表的な1拍でQRS波の始まりと終わりをマークするので、波のどの部分を測ったのかがわかり⁠ま⁠す⁠。

一⁠般的⁠な⁠範⁠⁠⁠囲

QRS持続⁠時⁠間臨床の参考文献での⁠説⁠明
約70~100 ms成人の一般的な⁠範⁠囲1
100~120 ms軽度の延長。不完全ブロックや伝導遅延と呼ばれることもあり⁠ま⁠す2
120 ms以上幅⁠広⁠QRS2

QRS幅が広いということは、心室がふだんよりゆっくり興奮したということです。主な伝導路の枝の一方で伝導が遅くなる脚ブロックや、PVCのように心室から始まった拍動で起こることがあります。1 ECG Tracker+は、記録の拍動が一貫して幅広く見える場合に、確認のきっかけとして「QRS幅延長の可能性」をマークします。実際の例は、幅広QRSのガイドで紹介してい⁠ま⁠す⁠。

単⁠一誘⁠導⁠⁠⁠と⁠Q⁠R⁠S⁠⁠幅

QRS波の始まりと終わりの見えやすさは、誘導によって異なります。単一誘導ではQRS波の一部が基線の近くを通ることがあるため、測定される幅が12誘導心電図より少し短くなったり長くなったりすることがあります。健康なボランティアを対象にした研究では、Apple Watchの記録で手作業で測ったQRSと、12誘導心電図の第I誘導で測ったQRSとの差は、平均で約7 msで⁠し⁠た⁠。3

範囲は目安であり、診断ではありま⁠せ⁠ん

一般的な範囲から外れたQRSがあっても、それは診断ではありません。Apple Watchの記録で幅広QRSが見られた場合、確かめるには12誘導心電図が必要です。気になる測定値があれば、医師に相談してくだ⁠さ⁠い⁠。

よ⁠く⁠あ⁠る⁠質⁠⁠⁠問

QRS持⁠続時⁠間⁠の正⁠常値⁠は⁠ど⁠の⁠く⁠ら⁠い⁠で⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

成人の一般的なQRSの持続時間は約⁠70~100 ms⁠で⁠す⁠。

Q⁠R⁠S⁠幅⁠が広⁠い⁠と⁠はど⁠う⁠い⁠う意⁠味⁠で⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

120 ms以上のQRSは幅が広いとされます。脚ブロックによるものや、心室から始まった拍動によるものが考えられます。どちらなのかは、医師が12誘導心電図で判断でき⁠ま⁠す⁠。

PVCでQ⁠R⁠S⁠幅⁠は広⁠く⁠な⁠り⁠ま⁠⁠⁠す⁠⁠⁠か⁠?

はい。PVCは心室から始まるため、QRS波はたいてい幅が広くなります。どのように見えるかはPVCのガイドで紹介してい⁠ま⁠す⁠。

出⁠⁠⁠典

  1. Merck Manual Professional: Electrocardiography
  2. LITFL: QRS interval
  3. Saghir N et al.: A comparison of manual electrocardiographic interval and waveform analysis in lead 1 of 12-⁠lead ECG and Apple Watch ECG, 2020

Apple Watchの心⁠電⁠図⁠を、も⁠っ⁠と詳⁠⁠⁠し⁠⁠⁠く

波形全体、参考用の測定値、トレンド、期外収縮の可能性を示すパターンのフラグを、iPhoneで確認できます。処理はデバイス上で完結し⁠ま⁠す⁠。