30秒間の心電図波形は、リズムを見るにはぴったりです。ただ、1拍1拍はとても小さく表示されます。小さなP波、鋭いQRS波、ゆるやかなT波をはっきり見るには、1拍を拡大する必要があります。それを行うのが「拍動形態」です。
「拍動形態」で見られるもの
心電図を開き、測定値の下にある「拍動形態」をタップします。細かいグリッドの上に1拍が大きく描かれ、次の情報が表示されます。
- P、QRS、Tのマーカー(拍動のそれぞれの部分がどこに置かれたかを示します)
- 選択した間隔(たとえばQTなら、その始まりから終わりまでを描きます)
- 下に並ぶ「記録全体の測定値」(P波の持続時間、PR、QRS、QRS振幅、QT、QTcなど)

1拍の心拍を構成する部分
心電図に現れる正常な心拍は、どれも同じ順序をたどります。1
- P波。 心臓の上側の部屋である心房が電気的に興奮します。小さく、丸みのある波です。
- PR部分。 信号が房室結節を通過する間の、短い休止です。
- QRS波。 下側の部屋である心室が電気的に興奮します。心室は大きいため、高く鋭い波になります。
- T波。 心室が回復し、次の拍動に備えます。幅が広く、ゆるやかな波です。
Apple Watchの単一誘導心電図でも、ふつうはこれらすべてが見えます。ただし、人によってはP波やT波が小さいこともあります。
1拍の値と記録全体の値
「拍動形態」が示すのは、記録の中の1拍です。一方、「計測」セクションは記録全体を表しています。そのため、2つの数値がわずかに異なることがあります。上の例では、この1拍のQTは387 ms、記録全体のQTは383 msです。どちらも同じ心電図の推定値ですが、対象とする範囲が違うため、小さな差が出るのは想定どおりです。
これは、測定値が意外に思えるときに役立ちます。実際の拍動のどこにマーカーが置かれているかを正確に見ると、その数値が何を表しているのかがつかみやすくなります。
マーカーの読み方
- 「T波終末」のマーカーが、T波が基線に戻る位置にあれば、QTの範囲は想定どおりに見えています。
- P波がとても平坦だったり見えにくかったりする場合、PR間隔やP波の持続時間は確実性が下がるか、表示されないことがあります。
- QRS振幅が大きいのは、たいてい体格や腕の位置など、信号がApple Watchに届くまでの条件を反映したものです。それだけで診断になるものではありません。
各間隔の成人の標準的な範囲と、値に影響する要因については、間隔のガイドで説明しています。
よくある質問
「拍動形態」のQTが、「計測」の値と違うのはなぜですか?
「拍動形態」が示すのは1拍で、「計測」の値は記録全体をまとめたものです。この2つに小さな差が出るのは想定どおりです。
どの心電図でも「拍動形態」を見られますか?
「拍動形態」は、代表的な1拍を示せるだけのはっきりした拍動がある心電図で利用できます。フル解析に含まれる機能で、毎月3回まで使える無料の解析でも、Proでも利用できます。
「拍動形態」に期外収縮は表示されますか?
「拍動形態」は、典型的な1拍に焦点を当てています。期外収縮の可能性は、代わりに波形全体の上でマークされます。そこでは、前後の拍動とのタイミングの関係を確認できます。


