医師は100年以上にわたって、マス目の入った記録紙で心電図を読んできました。今でも、タイミングをひと目でつかむにはマス目がいちばんの近道です。マス目の意味がわかれば、心拍数を見積もったり、拍動の間隔が均一かどうかを見たり、測定値を自分で確かめたりできます。
標準的な心電図のマス目
従来の心電図のマス目は、1ミリメートルの小さいマス目と、それを5つずつまとめた5ミリメートルの大きいマス目でできています。波形は、毎秒25ミリメートルという標準の速度で記録されます。1
| マス目 | 25 mm/sの場合 |
|---|---|
| 小さいマス目1つ(横方向) | 40 ms(0.04秒) |
| 大きいマス目1つ(横方向) | 200 ms(0.2秒) |
| 大きいマス目5つ | 1秒 |
| 30秒 | 大きいマス目150個 |
縦軸は電圧を表します。標準の感度(ゲイン)である1ミリボルトあたり10ミリメートルでは、小さいマス目1つが0.1 mV、大きいマス目2つが1 mVです。1
ECG Tracker+では、波形の下に「スケール:25 mm/s、10 mm/mV」のように目盛りが表示されます。記録の始まりには、医療機関で印刷される心電図と同じように、1 mVの校正波形も表示されます。
マス目から心拍数を見積もる
1分間に大きいマス目は300個進みます。そのため、隣り合う2つのR波の頂点の間にある大きいマス目の数を数え、300をその数で割れば、心拍数を見積もることができます。1
- 拍動の間に大きいマス目が3つなら、約100 bpm
- 大きいマス目が4つなら、約75 bpm
- 大きいマス目が5つなら、約60 bpm
この簡単な方法がいちばん役立つのは、リズムが規則的なときです。リズムが不規則な場合は、30秒間全体など、もっと長い範囲で拍動を数えたほうが、より正確な平均が得られます。

キャリパーでタイミングを測る
おおよその値を知るには、マス目を数える方法が便利です。より正確に測るなら、キャリパーを使います。ECG Tracker+で記録を開き、波形ツールのキャリパーボタンをタップして、2つのマーカーを比べたい位置までドラッグします。2点間の時間が表示されます。

試してみると役立つ使い方を紹介します。
- R-R間隔を1つ測る。 隣り合う2つのR波の頂点にマーカーを置きます。60,000をその結果(ミリ秒)で割ると、その瞬間の心拍数がわかります。
- 数拍分を測る。 3~4拍にわたってマーカーを置くと、間隔が一定かどうかがわかります。
- マークされた拍動の前後を測る。 期外収縮の可能性があるとマークされた拍動があれば、その直前の間隔と直後の間隔を比べてみましょう。
キャリパーが測るのは、あなたが選んだ範囲です。アプリが独自に算出した間隔の推定値は「計測」セクションに別に表示されるので、自分で測った値と比べることができます。
速度とゲインで変わるのは見た目で、時間ではない
ECG Tracker+では、表示の速度とゲインを変更できます。50 mm/sのように速度を上げると、波形が横に引き伸ばされ、マス目1つが表す時間は短くなります。ゲインを上げると、波が高く表示されます。元の記録は変わりません。どの設定になっているかは、目盛りの表示を見ればいつでもわかります。
画面と印刷された心電図を比べるときは、まず両方の速度とゲインが同じかどうかを確認してください。そうでないと、同じ拍動でも、どちらか一方で幅が広く、あるいは高く見えてしまいます。
よくある質問
心電図の小さいマス目1つは何ミリ秒ですか?
標準の25 mm/sでは、小さいマス目1つが40ミリ秒、大きいマス目1つが200ミリ秒です。
心電図の10 mm/mVとは何ですか?
感度(ゲイン)、つまり縦方向の目盛りのことです。10 mm/mVでは、1ミリボルトの信号が高さ10ミリメートル、つまり大きいマス目2つ分で描かれます。
キャリパーを使って、自分でQTを測れますか?
QRS波の始まりからT波の終わりまでキャリパーを置けば、その範囲の長さを確認できます。ただ、T波の終わりはなだらかなことが多く、見る人によって置く位置が変わることがあります。アプリ独自のQTの推定値は、「計測」に別に表示されます。

