記録を開いてみると、どこか様子がおかしい。いつもは上を向いている背の高いとがった波が下を向き、波形全体が、思っていたものを上下にひっくり返したように見える。そんなとき、多くの場合は心臓にいつもと違うことが起きているわけではありません。Apple Watchが反対の方向から測定しているだけです。
手首の設定で波形が反転する理由
心電図は、体の2点の間の電位差を測定するものです。Apple Watchは、手首と、Digital Crownにのせた反対側の手の指先との間で記録します。これは、医療機関でとる心電図の第I誘導に似ています。1
Apple Watchが左手首に着けられていると認識しているのに、実際には右手首に着けていると、2つの接点がソフトウェアの想定とは入れ替わります。心臓の電気活動そのものは同じでも、反対側から測定することになるため、波が反転して見えます。Appleが、選択した手首にApple Watchを着けているか確かめるよう案内しているのはこのためです。2
直し方
- iPhoneでApple Watchアプリを開きます。
- 「マイウォッチ」をタップし、「一般」、「ウォッチの向き」の順にタップします。
- 実際にApple Watchを着けている手首を選びます。
- 心電図アプリで、新しく心電図をとります。
設定を変えても、すでに保存されている記録は変わりません。反映されるのは、これからとる心電図だけです。
波形がいつもと違って見えるそのほかの理由
- 波がとても小さい。 QRS波が小さいと、ノイズのせいで向きを判断しにくくなることがあります。接触をよくし、腕を置いて休ませると改善します。
- ノイズ。 体の動きや干渉によって、波の形がゆがむことがあります。対処法はノイズの少ないApple Watchの心電図をとるためのガイドで紹介しています。
- 体の個人差。 単一誘導で記録される波の大きさや向きは、人によって異なります。もともと第I誘導の波が小さい人や、形が違う人もいます。
- T波だけが下を向いている。 QRS波は上を向いているのに、そのあとのT波が下を向いている場合は、別の所見です。T波逆転のガイドで説明しています。

設定が正しくても逆さまに見える場合
手首の設定が正しいのに、新しい記録もやはり逆さまに見える場合は、そうした記録をいくつか残しておき、医師に見せてください。腕時計でとる単一誘導の記録では、波がなぜその向きになるのかまではわかりません。12誘導心電図なら、はるかに多くのことがわかります。
見慣れない形の波形だからといって、それだけで何か問題があるわけではありません。症状がある場合は、記録がどう見えるかにかかわらず、医師に相談してください。
よくある質問
Apple Watchの心電図が反転しているのはなぜですか?
最も多い原因は、「ウォッチの向き」で選択されている手首とは別の手首に、Apple Watchを着けていることです。設定を直してから、もう一度記録してください。
手首の設定を変えると、過去の心電図も直りますか?
いいえ。保存済みの記録は、記録したときのまま残ります。設定を変えたあとにとる心電図から、新しい設定が使われます。
心電図が逆さまだと、心拍数に影響しますか?
心拍数は拍動と拍動の間隔から求めるため、たいていはそのまま測定できます。波の形にもとづく測定値は、設定を正しくしてからのほうが信頼性が高くなります。
