きれいな心電図は、落ち着いて見えます。拍動と拍動の間の基線は平らで、P波とT波が見え、QRS波はどれもくっきりと際立っています。ノイズの多い心電図は、細かくギザギザしていたり、基線が波打っていたりして、小さな波はノイズに埋もれてしまいます。幸い、ノイズの多くは原因が単純で、いくつかの習慣を身につけるだけで大きく変わります。
きれいに記録するための7つの対処法
どれもAppleの案内にもとづくもので、それぞれが大切な理由もあわせて紹介します。1
- 腕を置いて休ませる。 両方の前腕を机の上か膝の上に置きます。腕の筋肉が動くと、それ自体が電気信号を生み、細かく速いノイズとして波形に現れます。
- 力を抜いて、じっとしている。 体が動くと、肌とセンサーの接触が変わります。普段どおりに呼吸し、話さず、肩の力を抜きましょう。
- Apple Watchをぴったり着ける。 記録中はずっと、Apple Watchの背面が手首に触れている必要があります。バンドがゆるいことは、「記録状態が良好でない」の最もよくある原因のひとつです。
- すべてを乾いた状態に保つ。 水、汗、ローションは電気的な接触を妨げます。Appleによると、泳いだあと、シャワーを浴びたあと、たくさん汗をかいたあとは、Apple Watchが完全に乾くまで1時間以上かかることがあります。
- 手首の設定を確認する。 Apple Watchは、Apple Watchアプリの「マイウォッチ」>「一般」>「ウォッチの向き」で選択した手首に着けている必要があります。そうでないと、波形が上下逆さまに表示されることがあります。
- 反対側の手を使う。 Apple Watchを着けていない側の手の指先を、Digital Crownにのせます。押す必要はありません。
- コンセントにつながった電化製品から離れる。 充電器、照明、家電製品は、電気的な干渉の原因になることがあります。
指が認識されないとき
カウントダウンが何度もやり直しになる、またはApple Watchが指を認識しない場合は、指先がDigital Crownにのっているか、肌が清潔で乾いているか、指とDigital Crownの間に何もはさまっていないかを確かめてください。強く押しつけるより、軽く安定して触れているほうがうまくいきます。
ノイズが測定値に与える影響
ノイズの影響は、小さな波から先に現れます。背の高いQRS波はたいてい見えたままなので、心拍数は多くの場合そのまま測定できます。一方、小さなP波やT波の終わりは見えなくなることがあり、PR間隔やQT間隔が利用できなくなる場合があります。ノイズが期外収縮のように見えたり、実際の期外収縮を隠してしまったりすることもあります。
そのためECG Tracker+では、すべての記録に信号品質のラベルを表示しています。

| 品質ラベル | 測定値にとっての意味 |
|---|---|
| グッド | 干渉が少なく、信号品質が高い |
| 可 | 一部の干渉が測定値に影響する可能性がある |
| 低い | 干渉により、測定値の信頼性が低くなる可能性がある |
| 測定不可 | 品質を評価できなかった |
「グッド」というラベルは、記録が明瞭であることを意味します。記録が正常であることや、測定値が臨床的に正確であることを意味するわけではありません。
比べやすい記録をとるための習慣
推移を比べるために定期的に記録しているなら、きれいな信号と同じくらい、毎回同じ手順で記録することが役に立ちます。
- 毎回だいたい同じ時間帯に記録します。たとえば、朝コーヒーを飲む前などです。
- 記録の前に、数分間座って休みます。
- 毎回同じ姿勢、同じ腕の位置で記録します。
- 運動のあとや寝不足のときなど、いつもと違うことがあれば短いメモを残します。
比べやすい記録がそろうと、トレンドがずっと意味のあるものになります。
それでもきれいに記録しにくいとき
ごく一部の人では、心臓の位置によってApple Watchの信号がもともと弱く、どうしても波が小さく記録されることがあります。1 記録のしかたに気をつけても、ほとんどの記録が「記録状態が良好でない」や「判定不能」になる場合は、何度も記録し直すのではなく、その記録を残しておいて医師に相談してください。
よくある質問
Apple Watchの心電図で「記録状態が良好でない」と表示されるのはなぜですか?
心電図アプリのバージョン2で使われる「記録状態が良好でない」は、信号の状態が分類できるほど良好でなかったことを意味します。主な原因は、体の動き、ゆるいバンド、湿った肌、手首の設定の誤り、近くにある電化製品です。
Apple Watchの心電図がギザギザして見えるのはなぜですか?
細かく速いギザギザは、たいてい筋肉の動きか電気的な干渉によるものです。基線がゆっくり波打つのは、たいてい体の動きか呼吸によるものです。腕を置いて休ませ、じっとしていれば、ほとんどは改善します。
信号品質が「グッド」なら、心電図は正常ということですか?
いいえ。記録が測定に十分なほど明瞭であることを意味するだけです。心臓のリズムや各間隔が標準的かどうかについては、何も示していません。


