Apple Watchの心電図アプリは、驚くほどよくできています。わずか30秒で、手首から医療用の心電図に近い波形を記録し、リズムの分類まで表示してくれます。記録はすべてヘルスケアアプリに保存されます。多くの人にとっては、それで十分でしょう。ただ、記録をもっと詳しく見たい、何か月にもわたって比べたい、詳しいまとめを医師に見せたいという場合、1件1件の記録には、ヘルスケアアプリに表示される以上の情報が含まれています。
ヘルスケアアプリでわかること
ヘルスケアアプリでは、心電図ごとに次の内容を確認できます。
- 30秒間の記録の波形
- 洞調律、心房細動、低心拍数または高心拍数、判定不能といった、Appleによる分類
- 記録中の平均心拍数
- 記録したときに入力した症状
- 共有できるPDF1
これが記録の本体です。ほかのアプリはどれも、このデータを元にしています。
心電図アプリで加わること
それぞれの記録の波形には、分類以上の情報が含まれています。ECG Tracker+はその波形をiPhone上で読み取り、次の内容を表示します。
| 機能 | ヘルスケアアプリ | ECG Tracker+ |
|---|---|---|
| 波形と分類 | あり | あり(拡大表示、グリッド、キャリパー付き) |
| 平均心拍数 | あり | あり(R-R間隔も表示) |
| PR、QRS、QT、QTcの推定値 | なし | あり(参考範囲付き) |
| 心電図から算出するHRV(rMSSDとSDNN) | なし | あり |
| PACやPVCの可能性 | なし | 確認できるよう該当する拍動にマーク |
| 拍動の形態 | なし | 代表的な拍動とそのマーカー |
| 複数の記録にわたるトレンド | なし | 7日~1年(わかりやすい言葉での振り返り付き) |
| 信号品質のラベル | なし | あり |
| メモとタグ | 記録時の症状 | メモ、タグ、フィルタ、検索 |
| PDFレポート | 基本的な内容 | 測定値を含む詳しい内容 |
| Apple Watchでの結果表示 | 分類 | 測定値とトレンド |

測定値が増えると何がわかるのか
Appleによる分類は、リズムについてのひとつの問いに答えるものです。測定値は、それとは別の問いに答えてくれます。電気信号が心室を伝わるのに、どのくらいの時間がかかっているのか。拍動の間隔は、どのくらいゆらいでいるのか。そうした数値は、週ごとに見ても同じくらいなのか。
たとえば、QT間隔を延長させることがある薬を服用している人は、QTcの推定値の推移を確認して、医師に見せたいと考えるかもしれません。脈が飛ぶように感じる人なら、ある記録に期外収縮の可能性がある拍動がとらえられているか、それが波形のどこにあるかを確かめたいでしょう。どれも医療機関での心電図検査の代わりにはなりません。それでも、手元にある記録がずっと理解しやすく、相談しやすいものになります。
変わらないこと
ECG Tracker+が、ヘルスケアのデータを変更することはありません。心電図はあなたの許可を得て読み込むだけで、ヘルスケアに書き込むことは一切ありません。Appleによる分類も、Apple Watchが記録したときのまま残ります。2
解析はiPhone上で行われます。解析のために波形がアップロードされることはなく、アカウントも必要ありません。
どちらにもできないこと
Appleの心電図アプリもECG Tracker+も、扱うのは30秒間の単一誘導の記録です。これはひとつの方向からとらえたスナップショットであり、12誘導心電図や連続したモニタリングではありません。Appleは、心電図アプリでは心臓発作をはじめ、多くの病気を検知できないと明記しています。1 ECG Tracker+の測定値は参考用の推定値であり、診断ではありません。
1つの誘導でわかることとわからないことは、Apple Watchと12誘導心電図の比較で説明しています。
よくある質問
ECG Tracker+を使うには、新しく心電図を記録する必要がありますか?
いいえ。ヘルスケアアプリにすでに保存されている心電図を、過去の記録も含めて読み込みます。使い始めたその日から、これまでの履歴を確認できます。
ECG Tracker+は、Appleの心電図アプリの代わりになりますか?
いいえ。記録はこれまでどおり、Apple Watchの心電図アプリで行います。ECG Tracker+は、その記録を詳しく表示し、測定値を加えます。
データが誰かと共有されることはありますか?
解析はiPhone上で行われ、アカウントも必要ありません。レポートをいつ書き出し、いつ共有するかは、あなたが決めます。

